10月31日の「奇跡体験アンビリバボー」では外務省機密費流用事件という2001年に発覚した外務省が舞台の事件が放送されます。
この記事では、外務省機密費流用事件について、捜査に当たった捜査二課の中才(なかさい)刑事を中心にまとめたいと思います。
Contents
外務省機密費流用事件の始まり:アンビリバボー
九州・沖縄サミットで使われる物品納入に関して、不正があるのではないか
1999年10月下旬、外務省に出入りする業者からもたらされたタレコミが事件の発端でした。
2000年の九州・沖縄サミットは、約815億円という桁外れの予算がついた大規模なものであり、要人のためのホテル、交通の確保などで予算が必要な外務省であっても、「使いきれない」という声もあったようです。
捜査二課中才刑事の捜査の始まり:アンビリバボー
このタレコミは、汚職や詐欺、横領、背任、選挙違反を担当する捜査二課に回されました。
そして、捜査二課で担当することになったのが中才刑事でした。
中才刑事とは?:アンビリバボー
中才刑事はいわゆる扱いにくい部下だったようです。
上には報告せずに内偵を進め、有力政治家の関係者を任意で聴取しようと車に乗せて警視庁の駐車場に滑り込もうとしたところで、政治家からの抗議を受け慌てふためく上層部に止められた
仕事は優秀だが、上の意見を聞かない、そんな職人気質の中才刑事は係長の中島さんという方とコンビでこの事件を追うことになりました。
中才刑事の捜査の進展と浮かび上がってきたターゲット:アンビリバボー
中才刑事と中島係長が捜査を進める中で、中才刑事は外務省のOBからある男の名前を聞きました。
それが、松尾克俊です。
松尾克俊は、九州・沖縄サミット準備事務局次長という大役を任され、実質的にサミットの入札を取り仕切る立場にありました。
しかも、6年近くに渡り、大臣官房総務課要人外国訪問支援室長という総理大臣の外国での仕事のお金を要求するポストに就いていたのです。
外務省では同じポストに就くのは4年が一般的なので、その点でも怪しさがありました。
外務省機密費流用事件松尾の捜査へ:アンビリバボー
この時点では、中才刑事たち捜査二課の捜査は単なる松尾個人の汚職(個人の財布にお金を入れる行為)事件だと思って進めていました。
しかし、捜査を進めるうちに単なる汚職事件ではなくなっていきました。
外務省機密費流用事件中才刑事の執念:アンビリバボー
松尾が怪しいとにらんだ中才刑事は、捜査を進めていきました。
松尾が汚職して、大金を得ている証拠を得るために松尾の自宅に張り込み、洗濯物の下着から愛人がいることを突き止めました。
また、松尾の銀行口座を実際に確認するため「捜査関係事項照会書」を手に外務省から近い銀行の口座をしらみつぶしに当たっていきました。
こうした中才刑事の執念が実り、松尾が汚職している証拠である口座の入金記録を確認できたのです。
外務省機密費流用事件の発覚!!:アンビリバボー
松尾の口座を確認した中才刑事たち捜査二課は驚きました。
なんと松尾の口座には、億単位の残高があったのです!!
この残高を目にしたことで、松尾が関わっているのは単なるサミット費用の汚職事件ではないとわかったのです。
しかも、松尾の口座には毎月数千万の入金が繰り返されていました。
外務省機密費とは?:アンビリバボー
中才刑事と中島係長の活躍もあり、松尾が外務省の機密費を何年にもわたって流用しているのではないか?ということがつかめました。
機密費とは、通常の予算とは異なり使用用途を明確にしていないお金です。
通常の予算 | 使い道がはっきりしている。 |
---|---|
機密費 | 何に使うか明らかにされない。 |
外務省機密費は、外交を有利に進めるために情報提供者への謝礼などに使われているとされていますが、全容は明らかになっていません。
”誰でも”ということは、それを”秘密にしたい相手”にも、です。
外務省機密費流用事件松尾の取り調べ:アンビリバボー
捜査二課では、総勢382名のうち162人のメンバーで、各国の日本大使、現職の事務次官などの要職の人間約1000名の取り調べにあたりました。
当然松尾克俊本人についても極秘裏で取り調べが行われますが、松尾は口を割ろうとしません。
松尾が自白したきっかけは、松尾克俊の両親の墓の写真を見せたことでした。
「嘘をついて、ご両親に恥ずかしくないか。お墓の下で泣いているんじゃないか」
外務省機密費流用事件の結末とお金の使い道は?:アンビリバボー
その後の取り調べにより、93年11月から、’99年7月まで計46回、合計で約11億5700万円ものカネを経費として機密費から受領し、そのうち約9億8700万円を懐に入れていたことがわかりました。
松尾はお金の使い道として、競走馬やゴルフ会員権の購入、愛人と住むマンションの維持費に充てており、結婚は3回、愛人は少なくとも8人と、アラブの王子様のような生活を送っていました。
今回の外務省機密費流用事件によって、松尾克俊を含む逮捕者3名、さらに事務次官、駐米駐英大使を含む4名の更迭が決まりました。
外務省機密費流用事件に残された謎とは?:アンビリバボー
松尾克俊の逮捕で終わったかんもある外務省機密費流用事件ですが、いろいろと不可解な点も多く残されています。
その最大のものが、松尾克俊が懐にいれたお金約9億8000万円のうち、立件できたのは半分の約5億だったのです。
残りのお金については、どうなったのかわかりません。
また、松尾克俊の手口は事前に随行員の人数や宿泊単価などを大幅に水増しした見積書を官邸に提出。機密費から旅費などが現金で支給されると、自分の個人口座に入金。
外遊を終えると、偽造の領収書で精算し、帳尻を合わせ、実際に経費として使った以外のカネを着服。
という大胆なものでした。
約6年もの間、バレなかった理由として協力者の存在、上の人間との繋がりがあったのでは?と疑われています。
外務省機密費流用事件松尾克俊の現在は?:アンビリバボー
松尾克俊は、2002年に懲役7年6か月の刑罰を受け、その後の消息はわかっていません。
すでに社会に復帰はしているので、どこか田舎のほうで暮らしているかだと思います。
ただ、被害額のうち、約3億円は弁済しているので、ぜいたくな暮らしとは無縁の生活を送っているのでしょう。
1:外務省機密費流用事件の中才刑事のアンビリバボーな真相と松尾克俊の現在は?
外務省機密費流用事件と中才刑事のまとめ:アンビリバボー
10月31日放送の「奇跡体験アンビリバボー」で放送される「外務省機密費流用事件」について、まとめてみました。
1:外務省機密費流用事件とは、松尾克俊が機密費を使いこんだ事件である。
2:外務省機密費流用事件によって、逮捕者3名、更迭者4名が出た。
3:しかし、外務省機密費流用事件については、はっきりとしない点も多い。
4:松尾克俊の現在は不明。
以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。